新田ひらく|オザーナリズム BLOG

おざなりな文章 若きジャーナリズムを掲げて、政治からサブカルチャーまで批評していきます。

ひらくの漫画を開け!【惡の華/押見修造】

好きな女子の体操着を盗んでしまった中学2年生の春日高男(かすが・たかお)は、それを見ていた同級生の女のコ・仲村佐和(なかむら・さわ)から“契約”を迫られ、次々と変態的な行為に手を染めていく……。こんな背徳的な内容が話題を呼び、今月からアニメもスタートすることになったマンガ『惡の華』。作者の押見修造は、思春期のモヤモヤや“こじらせ”を徹底的に描ききる「青春マンガの名手」として、今、注目を浴びている。


私がこの漫画の突出すべきのは、中村佐和というキャラクターだ。

この漫画を読んでいく中で中村佐和は"一見"斜に構えた態度で周りの同級生や先生に対して見下している。現実の社会のつまらなさ、刺激のない日々、すべてが同調圧力の中の出来事、何もない、空っぽな世界、青春期のどうしようもない厭世観を持っている。
この物語での一つのキーワードである「変態」。この言葉を中村佐和、春日高男は度々用いる。

この「変態」という言葉が意味するものは、社会から抜け出よう、一種の社会脱出するための合言葉である。

なぜ中村佐和は「変態」になりたいのか?
なぜ春日を変態にさせたいのか?

それを考えていくと、
それは中村佐和が特別な人間ではないから。つまり、中村佐和はどこにでもいる人間、取るに足らない人間だからである。

中村佐和の一番の特徴は、そのことを一番自覚しているということである。
その点、春日高男とも共通する。

自分が普通であるから、変態でありたい。
普通な自分は認めたくない、特別な人間だ。
と、思えば思うほど、どうしようもなく自分が嫌で、その矛先を社会に向けてしまう。そういう中村佐和の心が読み取れる。

中村佐和というキャラクターは、それだからこそ魅力的だ。

設定はあくまでも、基本ベタな話である。笑


押見修造ファンとしては、惡の華の前に、
漂流ネットカフェ
ユウタイノヴァ
を読んでもらえたら、押見修造の漫画のスタイルがもっとわかると思う。
ぼくは麻理のなか(1) (アクションコミックス)

ぼくは麻理のなか(1) (アクションコミックス)

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)

スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)

惡の華(1) (少年マガジンKC)

惡の華(1) (少年マガジンKC)

惡の華(7) (講談社コミックス)

惡の華(7) (講談社コミックス)

漂流ネットカフェ 1 (アクションコミックス)

漂流ネットカフェ 1 (アクションコミックス)

惡の華(5) (講談社コミックス)

惡の華(5) (講談社コミックス)

惡の華(2) (少年マガジンコミックス)

惡の華(2) (少年マガジンコミックス)

惡の華(4) (少年マガジンコミックス)

惡の華(4) (少年マガジンコミックス)

惡の華(6) (講談社コミックス)

惡の華(6) (講談社コミックス)

惡の華(3) (少年マガジンコミックス)

惡の華(3) (少年マガジンコミックス)

ユウタイノヴァ(2) (ヤングマガジンコミックス)

ユウタイノヴァ(2) (ヤングマガジンコミックス)