新田ひらく|オザーナリズム BLOG

おざなりな文章 若きジャーナリズムを掲げて、政治からサブカルチャーまで批評していきます。

ひらくの漫画を開け!【RiN~リン~/ハロルド作石】

久しぶりの更新!(就活につき多忙←)

さて、今回は大好きな漫画家の一人、
ハロルド作石の最新作を紹介します!!

あらすじとしては、

「RiN」はマンガ家を目指す男子高校生・伏見と、不思議な力を持つ美少女・凛が織り成す漫画家マンガ。伏見がライバルたちと切磋琢磨していく中で、凛が物語にどう影響を与えていくのかが見どころ。月刊少年マガジン(講談社)連載中。



ここでふと、漫画家をテーマにしているから、バクマン。を少し想起してしまう人もいるでしょう。

しかし、そこはやはりハロルド作石
バクマンを少し簡単に評するのなら、「夢」「一途」「機能性」。
機能性に関して少し説明するのなら、漫画家と、漫画家を取り巻く環境、あるいはシステム、といった「漫画家になる道にはこういう事があるよ」といったある種職業パンフレット的な一面があった。
そういう点において、(ややチート感は否めないが)漫画家の道を広く照らした作品としては成功したといって良い。

一方、ハロルド作石の描く【RiN】は、「出会い」「おとなしい野心」「情緒性」といったような感じかな。(一巻だけみると)
やはり、ハロルド作品の特徴としては、軽快なタッチ、青春時代の青々しさ、キャラの躍動感、それらとは裏腹に深みのある台詞や風景、表情、を読者に訴えかける。

BECKは彼の代表作だし、読む人が読めば、王道バンド漫画でもあるし、それとは違った、一人の若者の葛藤を描いた作品でもある。

そういう、「膨らみ」と「深み」のある漫画を描けるのがハロルド作石だ。



本作はまさに、それを目指した漫画だ。

帯にハロルド作石の言葉がある。

「この物語を描くのは僕の最大の挑戦」

と。

この言葉通り、ハロルド作石がこの漫画にかける思いが並々ならぬものであることがわかる。
つまり、バンド漫画のバイブルとなった【BECK】を超えるような作品を描きたい、そういう思いを【RiN~リン~】に掛けている。

一読者として、この作品の先にあるもの、ハロルド作石の挑戦、を見続けていきたい。

まだ、始まったばかりの漫画だ。

主人公の伏見紀人。どこか共感してしまう人間性、けして絶対的才能があるわけでもなく、
所謂「持たざる者」の静かな情熱。

ヒロインの石堂凛。不思議な力を持つ少女。彼女曰く「有名になりたくない」という。対比して語るならば、
「持つ者」の普通への苦悩

ほかの登場人物としては、
伏見の友達カツオ、
漫画好きの同級生の本多明日菜
同年代の漫画家ライバル、灘カイト

などなど、個性豊かなキャラが多くいる。


まだ伏見と凛は出会ったばかり、まだ彼彼女の運命は絡み合いを始めようとしている段階。

7月中旬には2巻が出るらしい。
早くも期待してわくわくしている。

是非、読んでもらって欲しい作品です!

RiN(1) (RiN (1))

RiN(1) (RiN (1))